- どきどき~トクドキ
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分岐01
透き通る空、涼しい風。朝。当たり前なこの空間、学校。どの映画にもでるような、桜の木々に色取られた坂道とごく有り触れた正門。グラウンドにはいつものように陸上部の掛け声が聞こえる。登校する生徒は眠そうに見えながらもどこか希望に満ちている。そしてその中で一番輝いている人がいる。そう、私のだった一人の憧れ人。彼はどの部にも所属してないが、立ち振る舞いがとても格好いい。なりふり構わず優しく、困った人があったら何も言わず手伝う。でも不思議にも学校中誰も知らない。多分、彼は生徒らしくないほど奇麗な「こころ」を持っているから近づきにくいのである。それは私も同じ。どうも近づけない。自分が恥ずかしくなる。どうしたらいいか解らん。もう4月の半ばが過ぎているのになんの接点もない。どうしよう。
- 4月 17日
- 朝 07:00
- 日本晴
- 正門
いつもの学校生活に変化を加えてみた。ノベルではいつも小さな変化が大きな変化をもたらす。だから、もしかすると今まで繰り返されて遵守された彼との一定の距離が崩れ落ちるかもしれない。
- 「まだかな…」
私は正門に停まり。彼を待つ事にした。
正門から見る景色は、いつも帰り道で見た景色と違くって違和感を増した。
まるで自分だけ時間が遡っている妙な気分。皆は前、前に進むが、私だけ止まっている。なぜか押し寄せる不安。
- 「今日、まさか来ないのかな」
不安だ。やっぱり変化は不安だ。でも、これを乗り越えたら今まで味わってない幸せが押し寄せるはず。
- 「今日、来なさいよ」
携帯や時計、等。時間を刻む物を持ち合わして無い私にはそろそろイライラし始めた。なぜなら、彼がいつも校門を通る時間が過ぎている気がしたからである。
- 「あ、雲が押し寄せる」
先までの空と違く、どんどん雲が集まって来た。
- 「最悪だ」
私はやはり運命に抗ってはいけなかったのか。私は泣きそうになったが。それは一瞬であった。なぜか、先からイライラが私の全身をまとおうとしていた。なぜじゃ、なぜ。一体ここで待つのが始めではないというのか。分からん。
- 「どうしよう」
結論を出さなければ
- ♡
- 「帰る」
- 「帰たらはダメだ。校則の所為て恋の邪魔されるもんか」
(続いて読む)
そしてチャイムがなった。もう終わりだ。
太陽は上っているが、気分は上がらない。
淋しい。
誰もいない桜の道はどこか物寂しく、悲しかった。
桜を見て、騒ぐ学生も。ない。
あるのは桜を揺らがす風のみ。
意地悪い風だ。この時だけは静かにしてはくれないのかな。
そう思うと桜の枝が折れた。
そしてそっと私の手の平に着いた。
まるで私の心を慰めるように。
風は悪くないと言わんばかりに。
そうだ、彼は悪くない。風邪で寝込んでいる可能性もある。
- 「ありがとう、桜。ありがとう、風。幸せな悩みだったね、へへ」
そして学校の正門に振り向いた。
まぶしい日差しが私の心を照らした。暖かい。幸せな温もり。
幸せがいっぱい溢れた。
そしてゆっくり目を開けると、私は誰かの胸に寄り掛かっていた。
- 「あ、すみません」
私は驚き、思わず体を起き上がろうとしたが、体が言う事を聞かない。
- 「やっと会えた」
私はゆっくりと見上げるとそこには真先君がいた。私を見ている瞳はとても澄んでいたが、
色んな感情が混ざってどこか切ない感じがした。一体彼は何の感情を感じているだろう…
もっと知りたく彼の顔に近づこうとした。意図した訳ではない。ただ、自然と体が動き出したのだ。
- 「ずっと待ってたよ、君を」
- 「どうして、ここで待ってくれなかったの!ずっと不安だったよ!真先君が来ないのか…」
- 「君の歪む顔は見たくないの」
- 「ごめん」
- 「やはり知らなかったのね、今日…」
彼は私の顔から流れる涙を拭いた。気づかなかった。私、涙を流していたんだ。それはそうと今日って
- 「もしかしたら休みなの」
- 「そう、緊急休校」
- 「やはり、別れたのか、あのカップル」
そう、今の時代、極端的な小児化によって学校入学の一か月内にカップルが出来なかったり、
その後、学内にカップルがゼロになった場合、罰としてカップル一羽ができるまで休校なのだ。
つまり、授業より外で遊んで早くカップル作りなさいという訳だ。
- 「そう、だから今学校には私たち二人しかない」
- 「二人か、どうする学校に入る?」
- 「君に任せる」
入る (作成中)
入らない 続きを読む
- 「そうか、ははは、君らしいな」
- 「え、何が」
- 「自由な蝶々さん。花園へ行きましょうか」
- 「はい!よろこんで」
可笑しい、何かが可笑しい。
普通無口で、消極的だった彼が今日初めて私に手を差し伸べた。
さすが、ここで手を握らないと彼がまた消極的に戻るかも知れない、いや、純粋に私が握りたいんだ。
私たちは朝日を浴びなから手を振る桜の木に見送りながら風に乗って街に向かった。